桜 2013年其の⑫『ミカドヨシノ』

東京の花見の主役『ソメイヨシノ』はもう完全に新緑だけになってしまいました。
満開の時期はこんなに見事だったのですが…
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この画像見た目は同じような桜の木に見えますが、実は別の品種も並んでいます。
そのうちの一つが、静岡県国立遺伝学研究所で『ソメイヨシノ』の起源を知る研究過程で誕生した桜です。
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ミカドヨシノ 御帝吉野
オオシマザクラエドヒガンザクラを交配させ、実生選抜された品種です。
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Cerasus × yedoensis ‘Mikado-yoshino’
研究の結果『染井吉野』は『大島桜』と『江戸彼岸(』との交雑種であるとする説を支持する論文が発表されました。
名前からも想像出来ますが、本種は染井吉野ソメイヨシノ)と兄弟のような桜と言う事になります。
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樹高は5メートルから10メートルくらいで、葉は大形の楕円形で、葉の縁には先が芒(のぎ=イネなどの小穂に見られる針のような棘)形をした重鋸歯ないし単鋸歯があります。葉の展開に先立って花を咲かせます。
蕾の色はごく淡い紅色で、花の色は白く、花径4、5センチの大輪で一重咲き。
花びらは5枚で、小花柄がやや長く、垂れ気味に咲きます。一総に咲く花の数は3、4輪です。
芳香があって、各部の毛はソメイヨシノより少ないということです。

さて…今まで、もう一つの記事も含めて、いがいにもその『ソメイヨシノ』をまともに取り上げていませんでした。
まあ今更説明の必要が無いかもしれませんが…
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ソメイヨシノ 染井吉野
全国に植栽されているソメイヨシノは、すべて接木等の栄養繁殖によって栽培されているものです。現在は日本を象徴する栽培品種となっています。
葉の展開に先立って花を咲かせます。一総に3、4輪の花をつけ 花径は2、3センチの中輪で、一重咲き。
花びらの形は楕円形で、花の色は淡い紅色を帯びますが、咲き進むと白くなります。
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萼筒はややくびれる鐘形で、花柄が長く伸び、小花柄、萼筒に毛が多いのが特徴です。
Cerasus × yedoensis ‘Somei-yoshino’
前述したように『大島桜(オオシマザクラ)』と『江戸彼岸桜(エドヒガンザクラ)』の自然交配によって生まれたと考えられています。
江戸時代末期に江戸染井村(現在の東京都豊島区)の植木屋から「吉野桜」として売り出されたのが由来です。
その後、奈良の吉野山ヤマザクラと紛らわしいために「染井吉野」と呼ばれるようになったのです。
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ソメイヨシノの起源には長い間、諸説ありましたが、最近のPolA1遺伝子解析による研究の結果『エドヒガン』が母系で、『オオシマザクラ』が父系の交配の結果、生じたものであることがほぼ確定されました。
さらに、2012年に、葉緑体のDNAを解析から、江戸時代からある全国に現存するエドヒガンの古木から、ソメイヨシノの母系にあたるとされる株が見つかっています。

葉の特徴葉は長い楕円形で、互い違いに生える互生で、 葉の縁には大きなぎざぎざに更に細かなぎざぎざがある鋭い重鋸歯があります。葉の柄にも毛が生えています。
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因みに…現在、韓国で広く信じられている、「ソメイヨシノ済州島起源説」というものがありますが、現在、日本では完全に否定されています。
ソメイヨシノと同じものとされる韓国の王桜(タケーが発見したもの)は、全くの別物で、現在韓国で植栽されている王桜は日本のソメイヨシノです。