椿《獅子頭》

木に春と書いて『椿(ツバキ)』。まさに春を代表する庭木の一つですよね。
椿は園芸種は1万種を越えます。咲き方も15~20種ほど、花色も白、赤、桃、黄色、絞りなどがあります。
椿 ツバキ
椿は、イエズス会の助修士で植物学に造詣の深かった『ゲオルク・ジョセフ・カメル』がフィリピンでこの花の種を入手してヨーロッパに紹介。彼はマニラに住み、また東亜の植物を採集しています。有名な『カール・フォン・リンネ』が、このカメルにちなんで椿にカメリアと名付けました
◇科名:椿科 ◇属名:ツバキ(カメリア)属(Camellia=ゲオルク・ジョセフ・カメルG.J.Kamellの名に因んだもの ◇学名:Camellia japonica=薮椿 / Camellia japonica var. decumbens=雪椿(decumbens=伏した) /Camellia vernalis=春山茶花(vernalis=春の)
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コレは『カンツバキ(寒椿)』です。
ここで『カンツバキ』について、ややこしいので少し説明を…。『カンツバキ(寒椿)』はカンツバキとカンツバキ群に大きく分けられます。
まず前回の『カンツバキ』の記事で簡単に説明したのですが、『シシガシラ(獅子頭)』を関東では1933年以降にカンツバキとよぶようになったそうです。
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で…コレが『獅子頭』と呼ばれているものですね。
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ですが『シシガシラ』は日本に自生するサザンカとツバキとの交雑によって生まれたと言われる説が多いようですね。他にも中国から渡来したとする説や、サザンカのみから生まれた園芸品種とする説など「シシガシラ」の起源については異説もあるようです。
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カンツバキをサザンカの園芸品種群の中の一系統とするのは、厳密には雌蘂の子房に密毛があることを基準に、サザンカに分類するのだそうです。
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『シシガシラ』は、ツバキと同様に新梢に毛がなく、這い性のため這いカンと呼ばれます。立ち性で立ちカンとよばれているのが『カンジロウ(勘次郎)』と言う品種で、シシガシラのタネから生まれた品種。
※『カンツバキ』の特徴は、サザンカに比べ、花期が冬で、花には香りが無く、若い枝や葉にはサザンカ同様毛が生えています。そして、サザンカと違うのはのサザンカのように一斉に咲くのではなく、長い間に次々と咲く事。雄ずいの一部または多くが花弁に変化して八重咲きや獅子咲きの華やかな品種が多いようです。
『寒椿』は花弁と雄しべが合着する点はツバキと同じですが、花弁(花びら)はサザンカと同様に、一枚ずつばらばらになって散るので、ツバキとサザンカの両種の特徴を併せ持っているということになります。