梅 四十八輪目『田子の浦』

別ブログの続きです。四十五、四十六輪目、四十七輪目は別ブログに…。
他の大輪の種と比較すると、かなり小さく見えます。

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==《田子の浦》==
野梅系野梅性の一重咲き。萼は茶色です。

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、一方で花数が多くどんどん開いてしまうのでこのように花が重なって撮すことになりますね。
さてと…田子の浦と言えば…万葉集に有名な歌がありますよね。
田子の浦ゆ うち出でてみれば 真白にそ 富士の高嶺に 雪は降りける 山部宿禰赤人(やまべのすくねあかひと)】
☆原文>田兒之浦従 打出而見者 真白衣 不盡能高嶺尓 雪波零家留
♠意味は…田児の浦を通って見渡しの良い所に出てみたら、真っ白な雪を抱いた富士山が見えたのです。
※「田児の浦ゆ」の「ゆ」は、どこどこを通って、経由してという意味になります。
実はこの歌には、この直前に富士山を誉めたたえた歌があって、その反歌なのです。
====その歌がコチラです。====
☆天地之 分時従 神左備手 高貴寸 駿河有 布士能高嶺乎 天原 振放見者 度日之 陰毛隠比 照月乃 光毛不見 白雲母 伊去波伐加利 時自久曽 雪者落家留 語告 言継将徃 不盡能高嶺者
*作者は同じ山部宿禰赤人ですね。
この歌の読みですが…
♠天地の別れし時ゆ、神さびて、高く貴き駿河なる富士の高嶺を、天の原振り放け見れば、渡る日の影も隠らひ、照る月の光も見えず、白雲もい行きはばかり、時じくぞ雪は降りける、語り継ぎ言ひ継ぎ行かむ、富士の高嶺は
*意味: 天地が分かれてこの地ができて以来、神々しく高く貴い、駿河の国の富士の山を、空に向かって仰ぎ見ると、太陽の光も隠れ、月の光も見えず、雲も山に行く手をさえぎられ、ひっきりなしに雪が降っています。この富士の山のことをいつまでも語り継いで行こうと思うのです。