ツバキ『錦魚葉椿』『柊葉椿』

さて…椿の葉は花形と同様に変化が多く、中には観葉植物と見まごうほどに美しいものもあるのです。
'''一般的には花に雲状斑の入る品種は多少の差はあるものの、葉に黄緑色の斑が不規則に入ることが多く、また斑(ふ)の入り方が大きいほど、花の雲状斑も大きいことが多いようです。
百合葉百合のように細い葉をした椿で『百合椿』と呼ばれる品種がその代表。以前に別ブログで記事アップした『孔雀椿』(←記事)など、いくつかがこのタイプに属します。
鋸葉葉の外縁部に鋸の歯のようなギザギザがあるもので、歯の大きさや深さの差はありますが、ほとんどの椿は鋸葉です。椿の品種はこの歯形で特定することも多いです。
金魚葉コチラが今回の記事のツバキ。葉の先端が金魚の尻尾のように3 裂するものです。以前にも投稿捨てますが『錦魚葉椿』(←記事)の1種以外には見ることはできません。
錦葉葉に美しい斑のはいる種類です。花だけで無く、観葉植物のように鑑賞価値が高い品種。代表は『錦葉黒椿』。『覆輪一休』と言う品種、は葉縁に沿って黄緑色の斑が入ります。
それでは、先ずはコチラ。
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キンギョバツバキ 錦魚葉椿
葉の主脈が帯化現象を起こして、2~5頭に分岐して見た目が金魚の尾のようになっているツバキです。
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花が咲くのは3~4月で、一重の桃紅花をつけます。
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植木屋であった増田金太(増田繁亭金太郎)の『草木奇品家雅見1827(文政10年)』には、「その葉金魚のごとし、。実に不思議の珍産なり」と記されているそうです。

Camellia japonica ‘Kingyobatsubaki’

桃紅色で一重の筒~平開咲き。筒しべで、中輪です。
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錦魚葉は実生の中から生まれやすく 赤一重が一般的ですが、「赤八重」「白一重」「白八重」「白牡丹咲き」の他にも、絞りや斑入りもあるらしいです。まだ見たことは無いですね~。白一重にも、輪芯のものや侘芯の品種もあるらしい。

コチラは細身の葉です。
ヒイラギバツバキ 柊葉椿
紅色の一重で筒咲き。
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筒しべの小輪で、1710年の「増補地錦抄」に記載される江戸古種です。
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「鋸葉椿」の葉よりも鋸歯は深く粗大です。

Camellia japonica 'Hiiragiba-tsubaki'

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そして、これら以外にも変り葉の椿があって『盃葉』『桜葉』などの種類もあります。
コチラは以前の記事からの画像ですが…白から淡桃地に紅や淡紅の縦絞り、小絞りが入る千重咲き中大輪椿です。 

Camellia japonica cv. ”SakurabaGenji”

八重で、二重鋸歯で葉の形が、このように桜葉に似ているのです。この『サクラバツバキ(桜葉椿)』ですが…。
安政6(1859年)の「椿伊呂波名寄色附」に掲載されています。
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※『桜葉椿』の場合は、1829年の「草木錦葉集」に記載される「昌桂桜葉」のことです。