キササゲの実

名前の由来は、冬に葉が全部落ちてしまっても、このさや状の果実は木に残り、ぶら下がっている状態から
木にササゲ(実が赤飯などに入れるササゲ(マメ科))のような果実をつけるという意味になります。

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==【キササゲ木大角豆】==
コレが実…と言うか、豆が入った鞘でございます。
果実はササゲのように細長く20~30センチ位になり、枝の先に10本ほど付き、果実の中には両端に白毛をもった種子がびっしりと詰まり、さや果が縦に割れて飛び出し風に乗り広く散布されます。

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ただし、本種の実は豆果ではなく、熟すると下部が裂け、種子が散布されるさく果です。
種子は、非常に発芽率がよく日本の各地に広く分布するようになり、中国原産と言われていますが、特に各地の河畔に野生化するようになりました。
キササゲは、高木になり水気を好むために避雷針がわりに利用され雷除けの木といわれて、神社、仏閣、屋敷内などによく植えられています。

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日本全土の温暖な河原や谷筋など、やや湿った場所に自生します。中国中南部の原産で、日本には古くから渡来して野生化しました。

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《◇科名:ノウゼンカズラ科(Catalpa=この属のアメリカキササゲの北アメリカでの現地名から ◇属名:キササゲ属(Catalpa= ◇学名:【Catalpa bignonioides】bignonioides は「(ノウゼンカズラ科の)ツリガネカズラ属(Bignonia)に似た」という意味》
キササゲは温暖な河原や谷筋などの、やや湿った場所に好んで自生し、日本固有のものではなく中国から渡来しましたが、日本で栽培されたものが野生化して普通に見かけることができる帰化植物のひとつです。
原産地の中国では、キササゲの自生状態のものが減少して、庭などで栽培されているものが中心になっていますので、日本の気候がキササゲに適しているようです。
和名が『木大角豆』で、キササゲの中国名は『梓(し)』で、日本でも『梓(あずさ)』と呼びます。『梓(し)』は、カバノキ科のミズメ(ヨグソミネバリ)の別名とされますが、本来はこのキササゲ。
別名では『カワラササゲ』『カミナリササゲ』。中国名にも『河楸(かしゅう)』や、『雷電木』があるとこらから、別名も中国から伝わったものと考えられます。
さてと…コレは既に実(鞘)になっておりますが…花が咲いている時は?

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葉は桐のようで大きく、やや三角形状の広卵円形です
花は淡黄色で内側に紫色の斑点があり、10花ぐらいを円錐状につけます。
ノウゼンカズラ科の植物ということで、花はノウゼンカズラに少し似ております。

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☆別名である【カワラササゲ】は河岸に多く自生するとこらからついた呼び名で、【カミナリササゲ】は前述したように、庭に植えておくと落雷を防ぐということからついた呼び名です。
☆☆漢名の『梓あずさ』と『楸ひさぎ』については源植物が、はっきりとしていなかったようですが、『梓あずさ》はキササゲで、『楸ひさぎ』はトウキササゲです。
この仲間は世界に10種類ほどあり、日本には中国原産のキササゲ、トウキササゲとアメリカ東南部原産のアメリカキササゲ(ハナキササゲ)があります

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キササゲは、落葉性の10メートルにもなる高木で幹も太く、直径が60センチに達するものがあります。
☆☆☆生薬名で『梓実しじつ/梓白皮しはくひ/』といいます。
※以前に投稿している、近縁種の『アメリカ木大角豆』は花の色は白です。
原産地は北アメリカ。日本へは明治時代の末期に渡来しました。