海王丸Ⅱ

午前中に東京港に入港していく帆船『海王丸Ⅱ』です。
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初代の海王丸の後継として1989年(平成元年)に全通船楼甲板船として就航したのがこの『海王丸II世』です。
主要諸元『海王丸II世』 信号符字:JMMU
◇進水年月日:1989年3月7日 / 竣工年月日:1989年9月12日
◇造船所:住友重機械追浜造船所浦賀工場 / 船型:4檣バーク型帆船
☆航海速力 - 12.95ノット / 総トン数 - 2,556トン
☆全長 - 110.09 m / 垂線間長 - 86.0 m /全幅 - 13.8 m / 深さ - 10.72 m
☆総帆数 - 36枚 / 帆の総面積 - 2760 m2 / メインマスト高 - 43.5 m(船楼甲板からの高さ)
☆航続距離 - 9,800海里(約18,150 km) / 主機 ディーゼル機関(1,500ps×2基)による機走可能
☆燃料搭載量(kl) 432.35 / 最大速力(k't) 14.09 / 航続距離(mile) 9,800
☆船籍:東京 / 船舶所有者:(財)海技教育財団 / 運航者:航海訓練所 / 最大搭載人員:199 名
この『海王丸II世』は国有ではなく、民間の寄付により建造されました。
現在は上に記述したように、独立行政法人航海訓練所に用船契約される形で運航されています。
一般社会人向けの体験航海・遠洋航海コースも実施はしていますが、基本的に海事教育機関練習船であるため、実習生の参加人数により一般募集枠が少なくなる場合があります。
同じ帆船である『日本丸II世』との外見の違いは'''『船首像』と『船体のライン数』『救命艇の形状』『後部フード(舵輪の屋根)の形状』。
最初の『日本丸』と『海王丸』にはこの船首像はなかったのですが、1985年に『日本丸II世』が就航した際に、『日本丸II世』と当時の『海王丸』に船首像が取り付けられました。
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船首像の制作は東京芸術大学の西大由教授。日本丸II世の船首像は手を合わせて祈る女性の姿をした『藍青』で、海王丸の船首像が、チョットコレでは判りづらいですが…この横笛を吹く女性の『紺青』です。1989年に初代の海王丸が引退した際に船首像の『紺青』はそのまま海王丸II世に引き継がれました。
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先代の海王丸に比べて『日本丸II世』で培われた建造技術がさらに進歩されています。
帆走時には抵抗となるプロペラの迎え角を水流に平行とすることにより抵抗を減少させる、フェザリング機能を有する可変ピッチプロペラの採用などにより日本丸II世をしのぐ帆走性能を得ています。

*その年で最速の帆船に贈られる『ボストン・ティーポットトロフィー』を1990年、1991年、1994年、1995年と4回受賞しています。因みに『日本丸II世』も3回受賞しています。なかでも1995年には124時間で1394マイルを帆走する記録を打ち立てています。
海王丸Ⅱ